寺報 りゅうぎん
平成18年(2006) 賀 春 号 (14号)  

 降伏一切大魔最勝成就    大般若祈祷会
住職 雲 井 泰 正 合掌

 禅宗の寺院では、お正月に一年の無事息災と諸縁吉祥を祈願して、大般若会法要が行われます。
当山では第九代住職明庵禅燈和尚が二百余年前、近隣を五年の歳月をかけて托鉢行脚し蔵書した大般若経六百巻があります。痛みがひどく現住に至って全面修復しました。平成2年の本堂落慶式以来、この祈祷法要は開講されていないのが残念です。
 さて、このお経を一巻ごと翻し転ずるとき随喜の和尚さま方は「降伏一切大魔最勝成就」と唱えます。一切の魔ものをうち破り、最良の幸いを成就したまえ、という祈願の句です。大般若経は、一切は空であるという理を説いたお経であるのに、どうして魔ものを降伏する力があるのでしょう。
 あらゆる形や姿は、因縁により生じては滅します。物事が因縁によって生じるということは、あらゆる存在の本質は空であり、空であるから生ずることもなく滅することもない「不生不滅」です。この存在の本質からみると、汚れと清らかであることには、何らちがいがないことになります。
 そうはいっても世のなかには、常に不幸な出来事が多々あります。それに遭遇するとき、われわれが悲しんだり苦しんだりするのはもっともなことです。生老病死の苦しみや会者定離の悲しみは、だれもが我が身において体験することでしょう。
 しかし、暗い夜も必ず明けて、さわやかな朝がきます。存在するものは苦としてあるのみではなく、仏の智慧と慈悲によって恵みをうけている存在でもあります。空とは何もないということではなく、空であるから智慧であり、慈しみであるという喜びの表明です。


 
   臨済宗妙心寺派 第34回 特別布教開講 平成17年10月3日(月) 会所 海龍寺    
特別布教2特別布教1 静岡西教区第二部内19ヶ寺院の各総代・和尚さま方、総勢80余名が寺畔は錦穗に囲まれた当山に参集し特別布教が開講されました。
 当山からは、大石健次、大石喜信、村松太茂、井柳とき子の各役員が受講しました。当山住職が導師主席を務め、般若心経を誦して本山開山・開基回向をし、坐禅和讃をとなえて花園会員先亡供養を行いました。
 講師に長崎県松浦市の宝昌寺住職微笑義教師(元花園会本部長)をお迎えしました。
 法話のテーマは「請う其の本を務めよ」…副題としてどう活かす私のいのち≠ナす。
請う、その本をつとめよ、とは妙心寺開山無相大師が残した遺誡のなかの一文でいちばん重要な部分です。
 開山さまは、84歳で遷化されました。行脚の旅装にて風水泉という井戸のほとり、老樹の下で立ったまま亡くなられたと伝えられています。そのとき弟子の授翁宗粥禅師に残された言葉が、この遺誡です。日常底の生活のなかに、その答えはあります。
 それは、私たちは自己とは何か、仏とは何か、を徹底して参学追求しなさい。この教えを活かして、人間としての基本である仏心に目ざめなさいということです。しっかりと足元を見つめて、自身のうちにある清浄なる心にもどることが肝要です。
 御先祖さまのご恩を決して忘れず、いまを無事に活かされいるという認識をもって、日々精進していただきたいとの法話でした。

夏 休 み こども寺子屋 教室ひらく
 
 昨年8月6日(土)、当山において、初の試みとして住職。副住職、総代役員一同世話役となり、小学生を対象に寺子屋教室を開催しました。
 参加総数は、1年生から6年生まで29名でした。早朝6時半に集合し、坐禅は全員が初体験でした。奉仕作業として堂内を清掃しました。
 お粥を食したあと、副住職による「いのちの大切さ」の話がありました。夏休みの課題の相談にものって、意義ある半日でした。

一休さん



 第26回 妙心寺派 静岡西教区花園地方大会
平成17年11月6日(日曜)  
イズモセレモニーホール貴賓館 
 この大会は隔年ごと開催されています。従来ですと和尚の指導のもとに企画運営されてきました。
今回は第二部が担当となり、19ヶ寺の花園会長や青壮年部長が全面にでて、和尚は補佐役に徹しました。大会の開催までに教区 ・部内ともども数回におよぶ協議会を重ねてきました。当山では大石健次総代が第二部の花園会副会長に推薦され、司会進行の重責をこなし、池上佳弘青壮年部長も担当役責を遂行しました。 西教区全体で530名余が参加、当山からは住職・副住職・総代役員・女性部役員・御詠歌部員も参加しました。
花園大会 生活信条を一同唱和し、般若心経で三尊回向、坐禅和讃で花園会員先亡供養がありました。つづいて、総裁代理臨済寺僧堂師家無底窟老大師による御宸翰の奉読ののち、御垂訓をちょうだいしました。
 基調講演は、大本山妙心寺財務部長松山英照師の「禪 自らを調え 生活を調えましょう」の法話でした。
 特別記念講演は、北法相宗管長京都の清水寺貫主、森清範猊下による「もったいない」という演題で、大衆おおいに聞き入り、無事円成しました。